Stable Diffusion Automatic 1111は、画像生成AIのStable Diffusionを簡単に操作できるWeb UIツールですが、生成速度を向上させるためにはいくつかの工夫が必要です。ここでは、具体的な高速化手法を紹介します。
Contents
1. 低解像度での生成
- ポイント: 画像を低解像度(例:512×512ピクセル)で生成し、その後アップスケーリングすることで処理時間を短縮できます。
- 注意点: ディテールが失われる可能性があるため、後でアップスケーリングツールを使用して品質を向上させるのが良いです。
2. バッチサイズの調整
- ポイント: 一度に生成する画像枚数を減らすと、生成速度が向上します。バッチサイズを1に設定すると、1枚ずつ迅速に生成可能です。
- 注意点: 長時間使用する際には、処理速度と作業効率のバランスを見つけることが重要です。
3. 重いフィルターやエフェクトを無効化
- ポイント: 高度なサンプリングやノイズ軽減などの重いフィルターを無効にすることで、処理時間を短縮できます。
- 具体例: 高度なサンプラーよりも軽量なサンプラー(例:
Euler A
やHeun
など)を選択することで、生成速度を向上させることができます。ノイズ軽減の調整としてDenoising Strength
を適度に下げることで、処理時間を短縮できます。画質とのトレードオフを考慮する必要があります。 - 注意点: フィルターをオフにすると画像品質が低下する可能性があるため、必要最低限のフィルター設定に留めるのが理想です。
4. 「低VRAM」オプションの利用
- ポイント: VRAMの少ない環境で動作させるために、「–medvram」や「–lowvram」フラグを使用できます。これにより、VRAM使用量を減らし、軽量な動作を実現します。
webui-user.bat
ファイルをテキストエディタで開きます。- 以下のフラグを追加します:
- 中程度のVRAM最適化:
set COMMANDLINE_ARGS=--medvram
- 低VRAM最適化:
set COMMANDLINE_ARGS=--lowvram
- 中程度のVRAM最適化:
- ファイルを保存し、
webui-user.bat
をダブルクリックして起動します。
- 注意点: VRAM最適化により、生成される画像の解像度や品質に制約がかかる可能性があります。
5. Xformersの導入
ポイント: Xformersは、画像生成時の処理速度を大幅に向上させるライブラリです。これを導入することで、Stable Diffusionの推論時間が短縮されます。設定方法:
webui-user.bat
ファイルを開き、以下を追加します。
Code
set COMMANDLINE_ARGS=--xformers
保存して起動します。--medvram
など他のフラグと併用する場合は、スペースで区切って追加します。
Code
set COMMANDLINE_ARGS=--medvram --xformers
注意点: Xformersはすべての環境で動作するわけではないため、初回起動後に動作確認を行うことが重要です。
6.GPUのオーバークロック
- ポイント: GPUのクロック速度を上げることで、画像生成速度を向上させることが可能です。特にNVIDIAのGPUは、専用ツールでオーバークロックが簡単に行えます。実施方法:
- GPUメーカーの提供するツール(例:MSI Afterburnerなど)を使用して、GPUのクロック速度を慎重に調整します。
- テストを行い、システムが安定して動作するか確認します。
- 注意点: オーバークロックはハードウェアに負荷をかけるため、十分な冷却が必要です。過度なオーバークロックはシステムの不安定化やハードウェアの寿命短縮につながる可能性があるため、慎重に行ってください。
7. アップスケーリングの外部ツール使用
- ポイント: 初期の画像を低解像度で生成し、外部ツール(例:Real-ESRGANやWaifu2x)で画像を高解像度にアップスケーリングすることで、処理時間を短縮しつつ高品質な画像を得る方法です。実施方法:
- Automatic 1111で低解像度の画像を生成します。
- 外部ツールを使用して、その画像を高解像度にアップスケーリングします。
- メリット: この方法は、Stable Diffusionの処理負荷を軽減し、外部ツールで効率的に高品質な画像を得ることができるため、全体の処理時間が短縮されます。
まとめ
Stable Diffusion Automatic 1111を高速化するための方法を紹介しました。低解像度での生成、バッチサイズの調整、フィルターの無効化、低VRAMオプションやXformersの導入、さらにはGPUのオーバークロックや外部ツールを活用することで、画像生成の効率を大幅に向上させることが可能です。これらの設定を活用し、あなたの環境に最適なパフォーマンスを引き出しましょう。Xformersを導入していない方はしてみると明らかに高速になりますよ。
上記をしてもまだ遅い方はforgeやComfyUIを使用してみるのもありかもしれません。以下にリンクを載せています。